大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)183 判決

主 文

第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄する。

本件公訴事実中所得税法違反及び労働基準法違反の点について各被告人

を免訴する。

被告会社を罰金五万円に被告人A同Bを各罰金五千円に処する。

被告人A、同Bにおいて右罰金を完納することができないときは金三百

円を一日に換算した期

間被告人等を労役場に留置する。

理 由

被告人等の弁護人中村領策の上告趣意中本件失業保険法違反の点に関する所論は

単なる法令違反の主張てあつて刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。

しかし職権で調査すると第一審判決の認定確定した犯罪事実中、所得税法違反と

労働基準法違反の各犯罪はいずれも昭和二七年政令第一一七号大赦令による大赦が

あつたので刑訴四一一条五号、四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三七条三号

によつて第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄し右各犯罪について被告人等を

免訴し右免訴すヘき犯罪以外の被告事件について更に判決すべきものと認める。

よつて第一審判決の認定確定した犯罪事実中大赦にかからない犯罪に対し法令を

適用すると被告人A、同Bの所為は各昭和二四年法律第八七号による改正前の失業

保険法五三条二号、三二条、三四条、同法施行令一〇条刑法六〇条に該当するから

所定刑中罰金刑を選択し、以上は各同法四五条前段の併合罪であるから同法四八条

二項罰金等臨時措置法四条一項に則り各罪について定めた罰金の合算額の範囲内で

被告人両名を各罰金五千円に処し被告人等において右罰金を完納することができな

いときは刑法一八条により金三百円を一日に換算した期間被告人等を労役場に留置

すべきものとする。なお被告会社に対しては同会社の代表者である前記被告人等が

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会社の業務に関し失業保険法五三条の罪を犯したものであるから同法五五条を適用

し前記罰金の合算額の範囲内で被告会社を罰金五万円に処すべきものとし(弁護人

中村領策のその余の上告趣意及び名古屋高等検察庁金沢支部長名越亮一の上告受理

申立の理由はいずれも前記大赦にかかる所得税法違反又は労働基準法違反の点に関

するものであるからこれに対する判断を示さない)裁判官全員一致の意見によつて

主文のとおり判決する。

検察官 草鹿浅之介出席

昭和二七年一二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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